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硫黄燻煙とカブリダニ

研究時代思い出 *1

 Sekizukaprofileを見て通り、私が花と係わりを持つようになったは横浜普及所(当時)で事である。御存知方も多いかもしれないが横浜はバラと縁が深いくせにバラ(切り花)生産者は事実上皆無である。横浜市内花卉生産者は鉢物か植木がほとんどである。当然と言えば当然如く、私も鉢物、植木にほぼ特化した普及活動を行っていた。
 異動で花業界と縁が切れるという予想を裏切り、研究でバラを担当しろと言われ困惑することになる。何しろ「バラが生えている所など見たことがない」、「生産者も一人も知らない」、「用語も何やらさっぱり」という有様である。幸いなことに育種部門担当が、ほとんどずっとバラ担当という同期原靖英さんだったで、彼にほとんど何でも訊く事ができた。
 バラ栽培を始めて困ったことは、とにかく病害虫が多いことである。害虫も一通り付くが、うどんこ病が全然止まらない。毎週ように薬散を指示することになった。あまり不合理さに、いつも如く原さんに相談したところ「生産者は大抵、硫黄燻煙をしている」と教えてくれた。前任者が外していたを復活させたところ、うどんこ病が激減した。そ効果高さに驚いた記憶が鮮明にある。
 ところが、しばらくすると一部品種で生理障害ような兆候が見られた。例によって例如く原さんに相談*2すると、「それはおそらく硫黄燻蒸影響だろう。普通はタイマーで2時間/晩ぐらいにしており、効果もそれで十分」と言うこと。そう、見よう見まねで復活させたでタイマーには気がつかなかった訳です。
 そ後は、うどんこ病に悩まされることはほとんど無くなり、当時大問題になっていたミカンキイロアザミウマ対策をテーマに据える事になる。(天敵、IPMと係わりもこ辺から)

バラでカブリダニを使うようになって

 08年春から、生産者と二人三脚で取り組み始めた。春〜夏は気味が悪いくらい順調だった。これでは済まないだろうとは思っていたが、発表*3した通り秋から苦戦することになった。
 天敵を導入(放飼)する。しばらくすると活発に活動するチリカブリダニが散見し、ハダニが減り始める。。。と、ここまでは春までと同様なだが、ハダニが全滅までいかないうちにチリが減り始めてしまうである。
 またまた言い訳になるが、秋はイベント続きである。主要作目でもあるパンジー、シクラメン品評会、巡回検討会が続き、農業祭りなどもある。バラ天敵利用者が増えたこともあり、それぞれ状況を詳細に把握できなくなった。
 従来知られていたカブリダニ類失敗事例は大別して2つ。「農薬と組み合わせ失敗」、「放飼タイミングが遅い」である。所詮は「生物(いきも)」なで、想定外事態はあり得るが、そういう事態は同時に何ヶ所も発生することは通常ない。
 ほとほと困っていたところ、アリスタ社から「カブリダニに硫黄燻煙が影響があり、10時間/日だと激減し、1日おきに2〜3時間だと問題ない」という情報を得た。 「あっ!?」と感じるところがあり調べてみると、生産者達は、季節やうどんこ病発生程度に応じて硫黄燻煙時間を変更していた。特に08年秋はうどんこ病が大発生しており、かなり燻煙時間にしていた。
 前述通り、私自身栽培経験では燻煙時間は年間固定だったこと。前任地西湘時代にイチゴで硫黄燻煙とカブリダニが併用されており、特に問題になっていなかったことなどが、先入観となり気がつくが遅れた*4)。
 そ後、燻煙時間を1時間/晩に減らしたところ、追加放飼もせずにカブリダニが復活。ハダニが激減し始めるという有様。
 更にそ後、硫黄が暖まるまでに時間を結構要し、2時間→1時間だと半分になるではなく、もっと短いと言うことに気がつく。でも1日おきタイマーってあんまり無いんだよね。

うどんこ病とハダニ

コメント欄

  1. 硫黄燻煙で思うこと 苺FUJISAWA -- 2009-02-11 (水) 22:08:53
    暖房機と硫黄燻煙が、硫黄酸化とか還元に影響するでは?
    無暖房苺ハウスでは、硫黄燻煙はそまま昇華しているだけなように思います。
    無暖房ビニールハウスでは、農POフィルム劣化も少ないように思うです。
    無暖房苺ハウスでは、硫黄燻煙下でチリカブリダニもミヤコカブリダニもしっかり活躍しています。
    お名前: 題名:

*1 要するに言い訳
*2 いや、本当に当時はお世話になりました
*3 鹿児島大会
*4 いやぁ〜、単なる言い訳っすね(T-T

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Last-modified: 2009-02-11 (水) 22:08:53