《ハダニ亜科 Tetranychinae》 [#qded2de0]
節足動物門
大顎亜門−昆虫綱
鋏角亜門
クモ形綱
真正クモ目
ダニ目(Acari)
中気門亜目
カブリダニ科(Phytoseiidae)
Amblyseius属(ケナガカブリダニ等)
Ryphlodromus属
Phytoseiulus属(チリカブリダニ等)
前気門亜目(Prostigmata)
ハダニ上科(Tetranychinae)
クローバーハダニ亜科(Bryobiinae)
これ---> ハダニ亜科(Tetranychinae)
Tetranychus属
ナミハダニ(T.urticae)
カンザワハダニ(T.kanzawai)
Panonychus属
ミカンハダニ(P.citri)
クワオオハダニ(P.mori)
リンゴハダニ(P.ulmi)
Oligonychus属
トドマツノハダニ(O.ununguis)
※「ハダニの生物学(高藤晃雄)」P8図2.1*1より(一部改変あり*2)
農業上での「ダニによる被害」といえば、概ね、この仲間によるものが多い。
しばしば、大発生し、「くもの巣を張った」などと評される。
一般に「世代交代が早い」「広食性である」「単為生殖可能」「薬剤耐性を獲得しやすい」などの難防除となる要素を兼ね備えている。
右図はバラの新芽上で大発生した様子。
「卵」−<孵化>→「幼虫」−(第1静止期)−<脱皮>→ 「第1若虫」−(第2静止期)−<脱皮>→ 「第2若虫」−(第3静止期)−<脱皮>→「成虫」
種類にもよるが多くの種で25℃で10日〜2週間程で成虫になる。産卵数が比較的多いナミハダニでも1生涯の産卵数は100〜180程度なので、増殖の早さは生育の早さが原因と言われる。
例:イエバエ(50〜150個を4〜5回)、コナガ(300個/1雌)
ハダニ類の多くは単為生殖が可能であるが、それは産雄単為生殖である。これは未受精卵からは雄が生まれ、受精卵からは雌が生まれると言うものである。
例えば、新天地に雌1匹が侵入した場合、その雌が産卵(当然、未受精卵)し、雄が生まれる。この雄と最初の雌が交尾し、新しい雌が生まれる。以下、延々繰り返しで大増殖となる。なお、正確には受精卵から雌が生まれるのは絶対ではなく、60〜90%である。
雌の比率:ナミハダニ黄緑型0.74、カンザワハダニ0.66、ミドリハダニ0.89