Sekizuka/memo/農協原稿201102
<アザミウマは何故跳ねる?>
アザミウマ類は花に息を吹きかけると跳ね出してくることは古くから知られていますが、その理由が最近になってMoshe Gishらによって解明されました(エンドウのアブラムシによる実験)。
大抵の植物は草食獣(牛、馬など)の餌になります。これらの草食獣は植物に微少害虫(アブラムシやアザミウマ)が付着していることを気にせず、それごと食べてしまいます。食べられてしまう微少害虫から見れば生存にとって驚異です。草食獣が植物を食べる時には、口を近づけますので、息が吹きかけられた状態になります。そこで息が吹きかけられた時に慌てて逃げ出せば、生存率が上がることになります。実際に人工的に高湿度(90%以上)高温(約36℃)の気流を吹きかけると、微少害虫の逃亡が見られました。
この条件なら農場でも再現可能そうです。防除への利用も考えられますが、このような虫の行動も遺伝子によって制御されており、逃亡しない系統も存在します。よって農薬の場合と同様に抵抗性も考えられます。