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Sekizuka/memo/農協原稿201001

概要

下書き

何故、脚本数が重要か?

 「ハダニは脚が8本だから昆虫(6本)ではない」という話を聞いたことがあると思います。不思議に思ったことは無いでしょうか?
 外観上違いというなら、例えば口器違いもあります。カメムシ口器は針状ですが、ハダニ類口器も針状です。逆にバッタやトンボ口器は齧るに適した形状をしています。口器形状で分けても良さそうです。
 現在分類学では、進化道筋を念頭に置いた分類をしています。進化過程では、全く新しい器官が作られることは稀で、前からある器官が流用される事がほとんどです。脚ような大きな器官をコントロールするような神経は後から発生することは考えにくく、脚本数が違うと言うことは、かなり昔にそれら種が分化した証拠となります。
 こような進化過程を念頭に置いた分類は、農薬効果や安全性を考える際に重要です。有機リン系殺虫剤多くは、昆虫だけではなく、ダニ類にも効果あるもも多く、これだけ範囲が広いとヒト(ほ乳類)にもそれなりに効果があります。
 もちろん、同じほ乳類でも毒性は違います。例えば、タマネギなどに含まれる硫化アリルはヒトにとってそれ程毒ではありませんが、イヌやネコにとっては、かなり猛毒です。逆にヒトを始めとした高等猿類に必要なビタミンCはイヌやネコにとって必要ではありません。これは原始的な猿仲間から進化する際に、ビタミンCが豊富な食物(果実類)を中心に摂取していた証拠とされています(ビタミンC合成能を失っても餌から摂取できた)。
 もちろん、こような考え方には例外もあります(例:虫と菌両方に効果がある剤)。農薬ラベルを見ると、効果ある虫、病名などが出ています。たまにこような目で見てみると新しい発見もあるかもしれません。

コメント欄

  1. む〜 Sekizuka -- 2009-12-14 (月) 18:28:06
    ハダニ類口器は針状って言えば針状なんだが(あるいは「針状部分がある」)使い方は大分違うみたいだけどねー。

  2. >1 Sekizuka -- 2009-12-14 (月) 18:30:46
    使い方が違う、、、てぇは電子顕微鏡下で観察されてわかったことらしいから、かなり新しい知見だよなぁ。。。外見上観察だけで、かなり良いところまで分けていたようだから、観察ってぇも凄いよね。
    (バラ分類とか見てても、全然違うってぇ程でも無いもんな)
  3. >2 Sekizuka -- 2009-12-14 (月) 18:32:52
    ちなみにハダニは針状口器を突き刺して、そこから出てきた液をすする様で、針状口器から直接吸う訳じゃないそうです。知らんかったー。
    (カメムシとかは、そままストロー上に吸います)
    お名前: 題名:

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Last-modified: 2009-12-14 (月) 18:32:52