モリブデン(Mo)施用によるシクラメン花弁の青色化
シクラメンの花色には様々な色がありますが、今のところ純粋な「青」はありません。青いバラがサントリーから販売され始めましたが、バラの場合は青系色素(デルフィニジンなど)が実質存在しないので、他植物からの遺伝子導入が必要でした。しかし、シクラメンの場合は少量ですが、青系色素(その配糖体)が品種によっては存在します。このような品種ではモリブデン(Mo)を与えると青く発色することがあります。
実際に、鹿児島大学で行われた実験ではモリブデン酸アンモニウム溶液を施用すると青色化しました。色がつき始めた頃の蕾で効果が高く、その前後ではほとんど変化がありませんでした。変化した花色も3週間ほどで元に戻り始めたそうです。恐らく、モリブデンが植物体内で消費されてしまうと効果がなくなるのでしょう。また、既に強く開花した蕾へは吸わせたモリブデンが分配されなかったのでしょう。
なお、本技術は鹿児島大で特許を取っていますので留意して下さい。