野菜苗生産でのトマトのウイルス対策
鉢物生産者で野菜苗を生産している方は多いと思います。特にトマトの苗は定番商品の一つでしょう。このトマトで現在、ウイルス病が問題になっています。このウイルス病はトマト黄化葉巻病(TYLCV)というもので、農業新聞などでも話題になっているので、名前を知っている方も多いでしょう。 このウイルスはコナジラミが媒介します。作業での汁液伝染はしません。また、コナジラミがウイルス感染株を吸汁すると、その個体が死ぬまで保菌し続けます。 病気の症状としては、主に新葉が葉縁から黄色くなりながら表側に巻きます。葉脈の間も黄化し縮葉します。病気が進行すると頂部が叢生し株全体が萎縮します。発病後は花が咲いても実が付かない事が多くなります。 このような症状なので、家庭菜園用に苗を買った人からクレームの対象となる事が予想される上に、家庭菜園でTYLCVが蔓延すると、そこからトマト生産者にウイルスが広がる事が懸念されますので、コナジラミの防除を徹底する必要があります。 現在、このウイルスTYLCVを媒介するコナジラミにはバイオタイプB(シルバーリーフ)とバイオタイプQが知られています。バイオタイプB(シルバーリーフ)の方は大分前から発生していますが、バイオタイプQは、最近、増えており、薬剤抵抗性が著しく発達しています。効果のある剤が非常に限られているので注意が必要です。従来まで、効果のあった剤を使って、効き目が非常に悪い場合、バイオタイプQを疑ってください。 バイオタイプQの場合はスタークル(アルバリン)、ベストガード、サンマイトが有効とされています。 スタークル(アルバリン)とベストガードは粒剤があるので、これらを初期に使い、それ以降はサンマイトフロアブルを使うのがお勧めです。