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ダニに関する本を3つ上げて、比較してみます。 それぞれの書評そのうちに頑張ります。(^^;)

  1. ダニ-おもしろ生態とかしこい防ぎ方-(井上雅央)」
  2. ダニの生物学-基礎研究から応用へ-(高藤晃雄)」
  3. 「ダニの生物学(青木淳一)」

 まず、1タイトルでわかる通り農文教の-おもしろ生態とかしこい防ぎ方-シリーズの一冊です。
著者の井上雅央氏当時、奈良農試で防除関係で実践的な成果を上げていた方です。現在(2006/6)高原農業振興センター所長になられていますが、野生鳥獣害の専門家としての方が有名かも知れません。
 同シリーズ全体の傾向として、「ターゲットの基本的生理生態の解説」「それを踏まえた上での具体的防除法の解説」という姿勢があります。
この本も当然、それを踏襲していますが、それ以上に効率的な作業体系を如何に組み立てるか、という発想が根底に強く感じられます。この発想がより強く出ているのが「図解60歳からの防除作業便利帳(井上、谷川、國本)」だと思います。  読者として元々同シリーズが想定していると思われる農業生産者もとより、逆に基礎研究から入っている大学等の研究者にも良いかもしれません。

 

 次に2ですが、1とうって変わり基礎研究的な内容が中心となります。サブタイトルにある通り応用的な内容も含みますが、読んですぐ役に立つウツー的なものを期待する人に不向きです。逆に、世間一般に出回っているウツーで物足りない、自分なりの 防除スタイルを確立したい人に最適です。  タイトルにある通り「ダニ」についての本ですから、基本的に農業と不可分の領域が扱われています。そこが3との大きな違いです。  なお、専門書として本来当たり前という気もしますが、この本に参考文献が巻末についています。便利便利。

 

 最後に3ですが、これ1、2と視点が全く異なります。生態系におけるダニ全般とでも言う視点で書かれており、農業と直接関わりがあるの全22章中の数章に過ぎません。農業の技術書としてほとんど役に立たないと言って良いでしょう。  逆に生態系について学びたいというなら良い書籍かもしれません。編者の青木氏ササラダニの大家のようですが、各章の著者も新進気鋭の研究者揃いのようです。農業と関係の深いダニについて2の高藤氏と同じ研究室の矢野氏も書いており、なかなか興味深い内容でした。  え〜、他の分野流し読みでギブアップしたので割愛させてください。(^^;)

by Sekizuka


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Last-modified: 2006-06-27 (火) 13:45:04