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キク白さび病

キク白さび病(きくしろさびびょう)


概要

chrysanthemum rust
 キク白さび病とキク栽培の主要病害である。本病の病原菌であるPuccinia horiana P.Henn.担子菌類さび菌目に属する糸状菌であり、Henningsにより1901年に報告されている。
 本病菌生活史にさび胞子や夏胞子が無く、冬胞子のみである。その冬胞子休眠を経ずに小生子を形成する短世代種・後生型に分類される。
 宿主体に付着した小生子角皮侵入し、適温下で7〜10日後に葉部に黄色班を生じ、4〜7日後に肌色から淡褐色の病班に進展し冬胞子堆を形成する。冬胞子堆通常、葉の裏側に形成される。
 わが国のキク栽培で葉を付けて出荷するので本病要防除水準が高い事になり、それが対策を難しくしているとも言える。

 ※病徴が見たい方こちら がわかり易いと思います。

キク白さび病の伝染機構

伝染の成立する基本的環境条件

  1. キク白さび病菌冬胞子による小生子の形成条件
    1. 温度
       冬胞子の発芽、30℃で皆無、27.5℃でわずか、25℃で発芽するが小生子形成少量でかつ離脱無し。20℃で小生子形成と離脱が著しい。
       小生子形成の上限温度24.5℃。24.5℃での形成量極少量であるが24℃で飛躍的に増加した。file図1参照
       下限温度明かで無いが、0℃でもわずかであるが形成される。file図2参照
       小生子形成量が多かったの10〜23℃、特に15〜20℃で著しい。小生子形成までの所要時間15〜24.5℃で2〜4時間であるが、温度の低下につれ長時間を要し、10℃で4〜6時間、2.5〜5℃で6〜8時間、0℃で10〜12時間を要する。
       また、形成持続期間をみると、0〜24℃まで24時間以上にわたった。しかし、24.5℃で初期の数時間のみであった。
    2. 湿度
      1. 室内実験(20℃、プリント法)
         冬胞子堆表面に水膜が無い場合、R.H.100%でも小生子ほとんど形成されない。表面に水膜がある場合、3時間後からR.H.93%以上で多量の小生子が形成された。形成時間湿度が高いほど長く、R.H.87%で6時間、R.H.95%で12時間にわたった。(表1参照)
      2. 野外実験
         調査時間帯に降雨のあった10日間のうち9日間で小生子を検出した。結露のあった28日間のうち27日間で小生子を検出した。一方、降雨又結露の無い日に検出されなかった。(表2参照)
    3. 光線
       0.02mmの透明ポリエチレンフィルム(UV吸収剤無添加)で蓋をしたペトリ皿を明所(直射日光を避けた窓際2,000〜4,000lux)と暗所において比較した。小生子形成量生葉上、枯死葉上いずれの冬胞子堆についても明所と暗所で差無かった。
  2. キク白さび病菌小生子の発芽条件
    1. 温度
       file図3各温度における小生子の落下24時間後の発芽率、発芽開始と発芽率90%に達するまでの所要時間を示している。
       小生子の発芽率0〜24.5℃で90%以上だが、26.5℃で全く発芽しない。10〜24.5℃で2時間以内で発芽率90%に達する。10℃より低温で発芽遅くなり0℃で発芽率90%まで9時間を要する。
    2. 湿度
       小生子R.H.93%以下の場合、全く発芽しなかったが、R.H.95%以上で良く発芽した。file図4
    3. 光線
       小生子明所、暗所ともに1時間後に過半数が発芽し、2時間後に発芽率90%に達した。自然条件下でもしょうど4,500lux以下で影響無いと思われる。(表4参照)
  3. キク白さび病菌小生子の宿主体への侵入条件
    1. 高湿度条件における小生子の生存条件
    2. 比較的低湿度条件における小生子の生存期間

キク白さび病菌小生子の伝播方法と宿主体への侵入部位

  1. 小生子の伝搬方法
    1. キク群落内における伝搬
      1. 小生子の微気流による浮遊性
      2. 浮遊小生子による供試植物への摂取
    2. 結露時におけるキク群落内の温度分布
  2. キク群落外における伝搬
    1. 伝染源の周囲におけるキク白さび病の発生方向と風向との関係
    2. キク白さび病が伝染する気象条件における風速
    3. 伝染源からのキク白さび病の発生範囲
    4. 周辺の伝染源によるキク白さび病の発生
  3. 小生子の宿主体への侵入部位

キク白さび病菌小生子の宿主体への感染方法

 

夏期の高温気象条件におけるキク白さび病の発生減少

 

キク白さび病菌の生活史と生活環

キク白さび病の防除方法

 この項目について使用農薬等も古い事もあり、マニュアルとの関連もあるのでタイトル紹介程度にとどめるかも。

出典

コメント 、改訂履歴等

 出典この病害の言ってみれば「底本」。これを読まずしてキク栽培を語るなってなぁもんだ。
 これが概略終わったら天敵利用マニュアルにキクのページを作ってみようかな。

  1. とりあえず Sekizuka -- 2005-09-28 (水) 19:36:08
    とりあえずページ作成。
  2. やってみたら時間かかるかも Sekizuka -- 2005-10-02 (日) 23:55:04
    大項目整理完了
  3. 小生子形成の温度条件がざっと済み Sekizuka -- 2005-10-05 02:22:35 (水)
    グラフ生数値が表示されて無いのでスキャナーで取りこむしかなさそう。
  4. 図の表示をどうしたものか Sekizuka -- 2005-10-05 14:53:42 (水)
    とりあえず、クリックすると表示する形にしてみました。
  5. 病徴写真の表示 Sekizuka -- 2005-10-12 08:21:38 (水)
    概要の病徴写真の表示をコメントに変更。ああいう使い方どうなんだろう?
  6. うほっ Sekizuka -- 2006-07-26 (水) 12:04:01
    出典がpdfと言え、ネット上で閲覧できるじゃあ〜りませんか!
    これで細かいところ飛ばせるぞ。
    お名前: 題名:

Tag: 病害 糸状菌 キク


読み=きくしろさびびょう,英語=chrysanthemum rust
Web病害図鑑

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Last-modified: 2005-11-01 (火) 22:46:57