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スイカ果実汚斑細菌病
(すいかかじつおはんさいきんびょう)
Tag: 病害 細菌 スイカ メロン
Bacterial fruit blotch
スイカ果実汚斑細菌病とは、Acidovorax avenae subsp. citrulliによる細菌病である。海外ではスイカ、メロン、カボチャ、シトロンメロン(ウリ科雑草)等で発生が確認されており、広範囲のウリ科で病原を示すと考えられている。実際に本邦では、スイカ、キュウリ、カボチャ、ユウガオ、トウガン、メロンで報告がある。
本病は、スイカでは種子伝染する事が知られており、それ以外の感染経路としては作物残渣や前作の零れ種子(こぼれだね)が考えられる。
本病は1990年代前半にアメリカで大発生し、スイカに甚大な被害を与えた。我が国でも1989年に山形県で始めて確認されている。
なお、本病は植物防疫法で「日本が輸出国に栽培地検査を要求するわが国未発生の有害動植物」に指定されている。
スイカ†
スイカでの病徴は、葉の水浸状斑点が形成される、胚軸の腐敗症状、果実での果肉の軟化腐敗がある。
なお、アメリカでは果実での発症が多い事が知られているが、本邦では育苗時の苗腐敗等が多い。これは本邦では接ぎ木苗が多いためと考えられる。
メロン†
メロンでの病徴は、子葉では水侵状病斑から褐色病斑となり枯死に至る。本葉では葉縁から葉脈に沿って褐色病斑を形成し、やがてV字状に広がる(べと病、褐斑細菌病に似る)。茎では水浸状の病斑が、やがて褐色の不整形病斑となる。果実では、最初は果面に水浸状病斑を作りネットに亀裂を作る、進展すると亀裂が拡大し、暗緑色〜黒褐色の大型病斑となる。いずれも病斑からは乳白色の液体が出る事もある。
防除法†
効果のあると思われる薬剤†
※登録については自己責任で確認してください。
種子消毒†
- 30分間以上の0.5〜1.0Mの酢酸水溶液、0.5M〜1.0Mのリンゴ酸水溶液への浸漬処理
- 40℃で24時間の予備乾燥処理後の80℃で7日以上、85℃5日間以上の乾熱処理
- 30分間以上の0.5〜1.0Mの酢酸水溶液処理と80℃で7日間以上または85℃で5日間以上の乾熱処理との組み合わせ処理
参考、出典†
- 我が国におけるスイカ果実汚斑細菌病(新称)の発生
- スイカ苗生産における果実汚斑細菌病の発生生態
- スイカ果実汚斑細菌病の防除を目的とした種子消毒法
- スイカ果実汚斑細菌病菌の植物からの検出を目的とした選択培地
- DIBA法、ラテックス凝集反応法によるスイカ果実汚斑細菌病の迅速診断法
- ウリ科野菜果実汚斑細菌病の防除技術体系
コメント 、改訂履歴等†
- いつものように Sekizuka --
とりあえず、ざっと作成
- 果実汚斑細菌病の新情報 白川隆 --
ウリ科野菜に発生する果実汚斑細菌病に関する新しい情報は下記を参照して下さい。
植物防疫 64巻6号 347-377 (果実汚斑細菌病の特集号)
野菜情報 78:34-39
http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/1009/joho01.html
また、スイカ果実汚斑細菌病防除マニュアルは2009年12月に改訂され、下記のHPで公開されています。
一般栽培用: http://vegetea.naro.affrc.go.jp/joho/manual/uri-1.pdf
種子生産・検査用:http://vegetea.naro.affrc.go.jp/joho/manual/uri-2.pdf
成果情報
http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2009/05vegetea/vegetea09-03.html 等
御活用下さい。
Web病害図鑑