#navi2(天敵利用マニュアル)
&size(30){チャのIPM・天敵利用マニュアル};
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&tag(チャ,IPM,天敵,害虫);

*参考資料 [#ha724048]
-[[農林水産省 IPM実践指標モデル:http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/syokubo/081003.html]]
→茶実践指標

//-[[静岡県の茶園におけるクワシロカイガラムシの天敵類の発生実態:http://www.affrc.go.jp/seika/data_kanto/h15/08/15_08_12.html]]~
// H15研究成果情報 静岡県茶業試験場
//-[[天敵・天然物資材を利用した茶病害虫の総合防除体系:http://www.affrc.go.jp/seika/data_kan-tou/h08/chagyou/narc96K189.html]]~
// H8研究成果情報 三重県農業技術センター

-''ソルゴー障壁栽培'' →導入事例・茶~
 [[tea-farmの実験圃場:http://tea-farm.hp.infoseek.co.jp/]] ※ソルゴ巻の実施など

*茶の害虫 [#rf0345c6]
メジャー害虫
-クワシロカイガラムシ
-チャハマキ
-チャノコカクモンハマキ
-チャノホソガ
-シャクガ類 (地域等によって種が異なる)
-チャノキイロアザミウマ
-チャノミドリヒメヨコバイ
-ツマグロアオカスミカメ
-コミカンアブラムシ
-ミカントゲコナジラミ
-カンザワハダニ、(ナミハダニ)
-チャノホコリダニ
-サビダニ類(チャノサビダニ、チャノナガサビダニ)

マイナー害虫
-アカイラガ
-ゴマフボクトウ
-ミノガ類  (地域等によって種が異なる)
-ハスモンヨトウ
-チャドクガ (農薬防除圃では同時防除される為、害虫ではない)
-チャノハモグリバエ (同上:別種のハモグリバエも確認されている)
-マダラカサハラハムシ (サトクダマキモドキと食害痕が似ている)
-ナガチャコガネ
-センチュウ類

特定条件での害虫
-アワノメイガ (ソルゴ植栽圃場で発生)
-ツユムシ類(セスジツユムシ、サトクダマキモドキ、その他バッタの仲間)~
        (同上、及び水稲地帯で発生が多い模様)~
※※ソルゴ植栽圃場では(被害数は少ないが)稲に寄生する虫が害虫化する事があると共に常発する傾向がある。

*茶の害虫に関するtea-farmの私見 [#s24092b3]
-コミカンアブラムシ
--チャノキイロアザミウマとは競合するが優位であり、アザミウマを劣勢にする
--カンザワハダニと競合し、同等ないしは僅かに劣勢

-暫定版 茶でのソルゴバリア5年間の総括
--経過と機構についての私見(上から順に読んで下さい)
---ナス等での効果と異なり、単純な天敵バンカーではない。
---ソルゴ自身は天敵バンカーとなるが、同時に害虫のバンカーともなる。
---天敵バンカーとしての効果は、特に3年目以降顕著になった。
---同時に、アワノメイガ、ツユムシ類による加害も見られ始めた。
---茶では、恐らく通風が悪くなる事から、カイガラムシ、カンザワハダニの発生が少なくなり、コミカンアブラムシが定着する傾向がある。同時にチョウ目害虫も種類/数共に増える傾向が見られる。
---コミカンアブラムシの増加と共に、アザミウマによる被害は減少する。
---ソルゴでバンクされた天敵類がコミカンアブラムシの捕食に移ると共に、その他の微少害虫も補食していると思われる。
---同時に、コミカンアブラムシにより、生息範囲を侵された害虫類は繁殖しにくくなる。
---但し、コミカンアブラムシを一定数以上にする事は新芽の進育を阻害するので、要防除水準を高めに設定しつつ、制御する必要がある。(ショガタマバエやハナアブの幼虫は、マシン油乳剤の散布でも道連れにされる:クサカゲロウやテントウムシの幼/成虫は移動が活発なためか、前記天敵幼虫ほど減少しない)
---チョウ目を捕殺、コミカンアブラムシ、アザミウマをマシン油で叩く事で、チャノホコリダニ以外の加害は防げる。
---現状では、アワノメイガ、ツユムシ類の加害回避が課題だが、ソルゴの出穂時に穂を切断する事で、一定の効果があるかも知れない。(1-3年目は穂を切除したが、この時にはこれらの害は極微であった)
---以上の内容は、定量的な物ではなく且つ年次変動や周辺環境も勘案されていないので御注意下さい。
---ソルゴバリアが効果があるか?・・・・・化学農薬を使わない限りは効果があります。圃場の主難防除害虫が何かにより評価は変わるでしょう。難防除害虫がチョウ目なら別の植物の方が良いかも。

--天敵バンカーとして以外の効果
---雑草の侵入抑制:蔓性の雑草"以外"は侵入を抑制できます。
---風害の抑制効果:新/改植圃場の場合、幼木の保護には適当です。但し、少なくとも2畝おきに播種する事が望ましい。(風立等の草丈の高い(3m程度)物で5畝程度)
---ドリフトガード:ドリフトを抑制しますが、作物とバリアの距離が短い場合、ソルゴへのアブラムシの発生が減ったり、発生しない、居なくなるなどが生じます。
---残渣は、切断する事で有機質マルチとして使用できます。但し、株元は別にして埋没するか、焼却、くん燃しない限り使い物になりません。

--ソルゴバリアの短所
---兎に角、虫が増えるので、どの虫が加害しているのかどうかを判別しないといけない。
---コミカンアブラムシの害は増えます。摘採芽やその元となる芽に寄生しない限りは問題がないので、適切な防除が必要です。
---見た事もない虫の加害が発生します。ツユムシ類を含むバッタ類の場合、体が大きいので、化学農薬でも防除が難しい事があります。→捕殺主体となります。
---鹿など、新芽を加害する害獣(でもないが)が居る地域では、そもそも栽培が困難です。

--ソルゴバリアの維持
---ソルゴバリアは、蟻、旱魃、多雨により部分的に壊滅する事があります。
---特に、株元の蟻には注意が必要です。
---出穂時期又は、直前に整枝することで、アワノメイガやツユムシ類による害が防げるかも知れません。(来年検討予定)→台風時の強風対策として有効ですが、今年は台風がなかったので・・・。
---ソルゴのアブラムシが激発した場合は、水かマシン油乳剤など残効の無いもので防除する事も必要です。

--ソルゴバリア設置の適/不適
---弧状仕立ての平地の茶園は、恐らく最適
---弧状仕立ての中間地もOKだが、山間地などでは、そもそもバンカーとして成立しない場合がある。(前述の鹿の件など、育たない事がある)
---自然仕立ての平地/中間地ではマシン油防除との組み合わせにより効果が顕著。(化学農薬は全く使わない方が結果として良い様だ)
---自然仕立ての山間地については情報を持たないので不明。
---風当たりの強い茶園では、抑風効果は見られるだろうが、その分、風による害は圃場内部に移る事を念頭に置き、抑風を目的とするなら、茶園内部にも設置が必要。
---風当たりの強い茶園では、風が抑制される事により、チョウ目やアブラムシが増える事がある。特に、シャクガ類、ミノムシ類が集団発生する事がある。ゴマフボクトウも散見できるようになるはず(→枝条加害の間に捕殺)

以上08年11月17日暫定版

*コメント [#z6c3a18b]

//+''とりあえず'' &color(blue){Sekizuka}; -- &color(green){&new{2006-07-28 (金) 17:31:22};}; &br; 防除系の奴だけ抜粋してみた。 &br; &br;やっぱ接ぎ木を試しているんだなぁ。それも接ぎ挿しだよ。
//+''>1'' &color(blue){tea-farm}; -- &color(green){&new{2006-07-28 (金) 21:20:00};}; &br; 接ぎ挿し・・・現実にされている方もいらっしゃいます。 &br;が、後の管理がトッテモ大変。 &br;活着の良い台木が基本ですから、当然、元気の良い根系からも後々芽が出てしまいますし、わずかな台木の地上部からも芽を出すわけで・・・。 &br;結局の所、生育が順調な場合、台木からの枝は切断しないとダメだし、地上部が弱って、地下から芽が出るような状況になってしまうと、その株は回復不能となってしまいます。永年作物ですから、見逃しておけないし。 &br;品種が混じってしまうと荒茶製造段階で品質が揃わず、価格低下(というか、在来種並みの価格かな?)が激しいと予想されます。
//+''チャノキイロの活動時刻'' &color(blue){tea-farm}; -- &color(green){&new{2006-07-28 (金) 21:53:21};}; &br; 技術研究での採取データが少なすぎるので何ですが。 &br;5月のデータの評価にかなり疑問がありますね。この頃に早朝の気温が10度付近又はそれ以下なら、当然、夜露が降りているはずです。夜露の降りている時間帯にチャノキイロを樹冠上で目にすることは少ないでしょう。 &br;単純に、時刻/温度とだけの考察は不味いんじゃないかなぁ。 &br;私見としては("感じ"ですよ)、20度付近から30度付近の温度で、且つ日照のある時に、樹冠上/裾でも葉表に出てきますが、日照がなければ、どこにいるか判りません。 &br;日照があっても、気温が高ければ、葉の付け根や未展開葉の中にいることがほとんどでしょう。私の場合の防除の基準は、芯の展開しそうな葉の中に彼らが居るかどうかです。葉裏の探索は時間がかかるだけでなく、条件によっては見つけられませんから。(幼木園だとなおさらだし、自然仕立てだと樹冠上に居る数が防除の基準にさえなりませんから) &br; &br;アルギニン濃度とカンザワの産卵部位の報文は面白いですね。カンザワの加害が葉柄部と葉脈に多いのは、この為のようですね。 &br;#昨日まで、隣接圃場の(道路を挟んでいるけど)えだまめでカンザワが多発放置!!! &br;#今月だけでダニ剤を4剤消費(隣接南北圃場のえだまめで激発:茶のレベルで)。えだまめは出荷する時に葉っぱを落とすからって無茶は止めてよ。 &br;#ダニが問題になる作目の近くでの豆やなす等、ハダニ等の発生しやすい作目を栽培される場合には、十分な管理をお願いします。
//このURLはコストが大きいリンク切れです。+''中日新聞 2007/7/24''  -- &color(green){&new{2007-07-25 (水) 22:20:32};}; &br; [[《茶況》 害虫対策 天敵利用に関心が高い:http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20070724/CK2007072402035324.html]](静岡県) &br;静岡県茶業研究センターの調査で、茶生産者が害虫対策に天敵を活用したいという意識が高いことがわかった、とのこと。また、「天敵利用の指導者」の要望が35%ともっとも多いとのことなのですが、天敵カルテは何らかの役割を果たすことができるでしょうか?
+''中日新聞 2007/7/24''  -- &color(green){&new{2007-07-25 (水) 22:20:32};}; &br; 《茶況》 害虫対策 天敵利用に関心が高い(静岡県) &br;静岡県茶業研究センターの調査で、茶生産者が害虫対策に天敵を活用したいという意識が高いことがわかった、とのこと。また、「天敵利用の指導者」の要望が35%ともっとも多いとのことなのですが、天敵カルテは何らかの役割を果たすことができるでしょうか?

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